みなさんこんにちはお疲れ様です。
憲法の条文にはいくつか公共の福祉という言葉がでてきます。
ですが公共の福祉とは何かということはどこにも定義されていないんです。
そこで公共の福祉とは何かということもいくつかの学説があります。
現在浸透している公共の福祉は
人権相互の矛盾・衝突を調整するための実質的公平の原理
とされています。
人権を認めすぎても不都合になり、何かの人権を認めることで何かの人権を侵害することもあります。
例えば表現の自由を保障するがあまり、他人に精神的傷害を負わせる結果となるかもしれません。
その調整のために公共の福祉が必要不可欠となります。
必要最小限の規制を認めるといえばわかりやすいかと思います。
これには二つの側面があり
一つは自由権を各人に公平に保障するための制約を根拠づける場合(自由国家的公共の福祉)
もう一つは社会権を実質的に保障するために自由権の規制を根拠づける場合(社会国家的公共の福祉)
さて人権の衝突を正しく調整するのが公共の福祉ですが
具体的に人権の衝突を担っているのは法律や行政処分です。
つまり法律や行政処分が正しく人権の衝突を調整しているか。この調整を公共の福祉といいます。
そしてそれが一方を不当に制約していることになっているのならばそれは公共の福祉による制約としては許されません。
そうなると違憲審査基準を使って公共の福祉による制約の適否を裁判所が判断します。
そしてその法律や行政処分が違憲と判断されるのですね。
実際に法律が違憲と判断されたものとして有名なのはやはり尊属殺人事件です。
当時刑法に尊属殺人罪があり、これは無期懲役か死刑しかありませんでした。
昭和48年に判決が下った違憲判決が日本初でこの時から日本の違憲審査がはじまったといえるかもしれません。
よければこちらにその事件や判決、弁護士と弁護人の闘いがわかりやすくまとめられています。
そして違憲判決は法律そのものが憲法違反というわけではなく適用違憲ということもあります。
これは法律そのものは違憲ではないが、この事例においてこの法律を使って処罰するまでもないだろうというものです。
猿払事件が有名ですが、他にも世田谷事件など公務員の政治的行為には多くの判例があり
どこからどこまでがセーフなのかというのは非常に難しいところです。
なお海外では公務員の政治的活動は特に制限されておらず、公務員が政治的なデモに参加するなどはよくあるのだそうです。
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