民法「損害賠償」

法律

損害賠償は民法の債権の中でも特に重要な項目の一つです。

415条と416条にありますが常識レベルで覚えておかなければならないことがあります。

 

415条1項「履行遅滞に基づく損害賠償の請求」

以下超重要な概説

①債務が履行期に履行可能なこと

②履行期を徒過したこと →債務者の弁済提供がないこと+弁済期の経過

③履行しないことが違法であること →債務者の同時履行の抗弁権を奪うため、債権者が反対給付について弁済提供すること

④履行期の徒過について債務者に帰責事由があること (ただし書)

⑤損害の発生

⑥因果関係

 

例外として

①期限の定めのない消費貸借(591条1項) →催告後、相当期間経過後に履行遅滞となる。

②不法行為に基づく損害賠償債務(709条) →請求を待たずに不法行為の時から履行遅滞となる。

 

これらは債権の履行遅滞についての定めですが

この債権の履行遅滞とは、お金を借りて返すのが遅れたというのが一般的かと思います。

その損害賠償も履行が遅滞すればいつでも請求できるかというとそうではありません。

 

そしてどのような債権かにもよって、いつから履行遅滞となるか(起算点)も変わります。

一般的には債権は契約時に期限が定められているので、その期限が到来時が履行遅滞の起算点になります。

ちなみにこの履行遅滞の期限が到来した時が消滅時効の起算点になります。

 

では確定期限が定められていない債権はいつが起算点になるのか。

これは債務者が履行請求をうけたときになります。

つまりお金を返してくれと言われた時が起算点となり、それ以降は履行遅滞となります。

 

これは知らないものが損をすることになるのですが、

うまいこと言われていつでも返してくれたらいいからという感じで期限を決められずに大金を貸してくれたとします。

これはその人が本当に善意の塊の人で、いつでもいつまでも貸してくれる人であるならば問題ありません。

しかしこの法律の決まりを知っている人はそうではありません。

期限を決めていないということは、貸したあとでいつでも自由に突然に期限とすることができます。

 

例えば100万円借りたとし、期限は決められていません。

そして3日後に突然今すぐ返してくれと言われたとします。

そうなるとその日が起算点となり、翌日から履行遅滞となり、担保にしていた不動産の差し押さえや強制執行も正式な手続きとして可能となるのです。

 

さてこの履行遅滞ですが帰責事由がない場合は債務者は損害賠償を負いません。

ただしそれをしっかりと立証しなければならないので、実質これはかなり難しいでしょう。

またさらに金銭債務の場合はこの限りでないと419条で定められています。

金銭債務の場合は履行遅滞についていかなる理由があろうとも損害賠償責任を負います。

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