民法「履行の順序」

法律

契約はそれぞれの債務を履行することによって成立します。

売買契約ならば物の引き渡しとお金の支払いというそれぞれの履行によって成り立ちます。

もちろんどちらかの履行がなければ、履行があるまで、自身の債務の履行は拒絶できます。

これを同時履行の抗弁権といいます。

 

一般的な双務契約はこの同時履行によって成り立っていますが、中にはそうでないものもあります。

先履行義務、後履行義務というものもあれば、対価関係にないものもあります。

同時履行の要件として対価関係のものでなければならないからです。

では対価関係にないものは同時履行となるかどうか、債権によって異なります。

 

弁済と抵当権登記の抹消手続は同時履行の関係に立たず、弁済が先履行。

建物買取請求権が行使された場合の建物代金請求権と土地明渡請求権は同時履行の関係に立ちます。

 

建物土地買取請求権とは借地借家法により規定されているもので、借主を保護するための規定です。

例えば地主さんから土地を借ります。土地を借りるということはその土地を使って何かをするということです。

家を建てて住むのが一般的ですが、さて例えばこの土地を20年という期間で賃貸をしていたらば

20年後この土地を返さなければなりません。

そうなると残った土地の上の建物はどうなるかというと、もちろん持って行くことはできませんし

ただで地主のものになるわけもありません。

これはその時の建物の代金でもって地主に買い取らせることができ、これをされたら地主は絶対に買い取らないといけません。

これは強行規定となっており特約で消したりなどもできません。

 

さてでは賃貸期間が終了したら土地を明け渡さなくてはならないですが、それと建物代金の支払いは同時履行に立ちます。

これは敷地を返還して、建物の明渡だけを拒絶することは不可能だからです。

 

また造作買取請求権と造作代金の支払いですが、これは同時履行にたちません。

造作買取請求権とは、家を借りていてその中にクーラーを設置したとします。

このクーラーも実は賃貸終了と同時に造作買取請求が可能なのです。

ただしこれは任意規定ですので、賃貸借の時点での特約で認めていないことが一般的です。

クーラー設置したらそのままおきっぱで次のところへですね。

 

さてこのときは同時履行にたたないのですが、さきほどの土地と建物と違って

造作と建物では対価が違いすぎます。さらに造作代金は造作の対価であって建物の対価ではありません。

つまり造作買取請求権を行使した場合、この金額を受け取るのがまだであっても建物は明渡さなければなりません。

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