共犯とは複数名で罪を犯すことですが、その内訳はいくつかあります。
主犯となる行為者(正犯)がおり、共犯の人がどれだけ罪に加担したのか、もしくは加担させられたのか
はたまた正犯者もむりやり行為をさせられたのか
ちなみに道具のように人を操って罪を犯すことを間接正犯といいます。
さて共犯の内訳ですがまず大きく分けてふたつ
①任意的共犯(広義の共犯)
②必要的共犯
この中からさらに枝分かれします
①任意的共犯(広義の共犯)
ー1 共同正犯
ー2 教唆犯(狭義の共犯・加担犯)
ー3 従犯(狭義の共犯・加担犯)
②必要的共犯
ー1 集団犯
ー2 対向犯
さて必要的共犯に集団犯と対向犯とありますが
集団犯とは集団によってなされるもので内乱罪(77条)、騒乱罪(106条)、などがあります。
対向犯とは相手が必要なものでわいせつ物頒布罪(175条)、重婚罪(184条)、贈収賄罪(197〜198罪)などがあります。
この共犯には非常に多くの学説があり、それは多くの考え方解釈の仕方があるということです。
では共犯の概念ですが、正犯を定義しそれ以外を共犯とする制限的正犯概念というものがあります。
その正犯ですが、実行行為を行う者をいいます。
そして正犯だけでなく共犯も正犯者の行為を介して法益侵害・危険を惹起したので処罰の対象となります。(因果的共犯論・惹起説)
ちなみにですが
共犯と正犯とで処罰が異なる場合があります。
それは加担の仕方や故意が異なる場合によってそれぞれの構成要件が異なるからです。
その中でも2人以上で意思の連絡なしに同一の客体に対して同一の犯罪を同時に実行することを同時犯といいます。
意思の連絡がないので共犯は成立しません。
共犯が成立しないためそれぞれが別々の構成要件で考えることになります。
しかし、例えば傷害罪の場合どうでしょうか。
傷害罪の結果が発生していますが、同時犯ということは同時に複数人が法益侵害の実行行為をしています。
暴行なのか傷害なのかは誰のどの行為からなのかを判別するのはまず不可能です。
そのため傷害罪については特例があります。(207条)
共同して実行した者でなくても、共同の例によるとされ全員が傷害結果について責任を負うことになります。
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