憲法には色々な分類があります。
形式的意味の憲法 憲法という名前がついている法であるもの
立憲的意味の憲法 国民から国・君主・権力者などに対して、人権保護の為に守らせるもの
固有の意味の憲法 機関や行政など統治の基本について定めているもの。
実質的意味の憲法 形式的意味の憲法と違い、内容が憲法としてふさわしいもの。内容が立憲的意味、固有の意味の憲法であるもの。
ではこうした憲法ですがイギリスのマグナカルタにその原点は遡りますが
人権保障を定めた法は1948年フランス人権宣言が基盤ということになってきます。
ちなみに世界最初の人権宣言は1776年アメリカのバージニア権利章典
日本最初の人権宣言は1922年京都の水平社宣言です。
世界各地で人権については取沙汰され長い時間をかけて人権というものができあがったんですね。
そして日本国憲法にも、国民は普段の努力で維持しなければならないとあるように、しっかりとこうした歴史を知っておくのは大事だと思います。
さて日本国憲法はまず大日本帝国憲法が明治維新と同時に制定されましたが
それから第二次世界大戦がきっかけで日本国憲法ができあがります。
この時のポツダム宣言を受け入れたことが原点になるでしょう。
さてこのポツダム宣言ですが
こちらにその時の宣言がありますがどうにも旧仮名遣いは読みにくい。
ちなみに原文はこちらです。
ポツダム宣言は1945年に13項目でだされましたが、日本はこのときこれを無視してしまいます。
それであの原爆投下とソビエト連邦からの宣戦布告が起こり無条件降伏となるわけですね。
ちなみにポツダム宣言の前に1943年、カイロ宣言があり、これがポツダム宣言の元になっています。
ポツダム宣言に戻りますがその内容の中に日本国憲法に通じるものがあります。
6 日本国民を欺き世界大戦へ扇動した、影響勢力、権威、権力は永久に排除されなければならない。従って世界から無責任な軍国主義が排除されるまで平和、安全、正義の新秩序は実現不可能であると主張する。
9 日本の軍隊は完全な武装解除後、平和で生産的な生活を営む機会と共に帰還を許される。
10 我々は日本を奴隷化しない、国民として絶滅させるつもりもない。しかし我々の捕虜を虐待したものや戦争犯罪人には断固として正義を付与する。日本政府は日本の人民の間に民主主義的風潮を強化し、復活するにあたって障害となるものは排除する。言論、宗教、思想の自由、基本的人権の尊重はこれを確立するものとする。
一部を抜粋しましたが、個人の尊重、つまり基本的人権の尊重をすべしとということです。
これを受け入れて日本国憲法が新たに制定されたので
憲法で最も大事なものはなにかというとそれは人権の尊重ということになるんですね。
この憲法制定の学説で八月革命説というものがあります。
これは1945年8月のポツダム宣言受諾により日本において革命がおこり、主権の所在が天皇から国民へとなった。そうして日本国憲法は新たに主権者となって憲法制定の権力が移行した国民が制定したと考える説です。
もちろんこれは学説ですが、しっかりとこういう理論も歴史的な流れをたどるとなるほどなと思います。
実際ポツダム宣言には主権者を天皇から国民にと具体的には指示されていませんが
日本国憲法は国民主権の下で国民が制定した憲法ということは間違いありません。
そして更生憲法として最高法規性をもった憲法として存在しています。
なおこの最高法規性は更生憲法であるということと、人権尊重を内容としていることからいえます。
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