刑法「責任能力」

法律

刑法的に責任能力に問われないのは例えば未成年ですが刑事責任年齢は14歳とされています。

これは、少年(14歳未満)では一般的に弁識能力や行動制御能力に欠けている。

また可塑性に富んでいるということから14歳未満の者を刑事未成年者として画一的に責任無能力者とされています。

責任無能力者ということは責任阻却事由が認められ、犯罪不成立となります。

  

では14以下の者が犯罪を犯したときですが

これは刑事罰に問われるのではなく、特に必要と認める場合に限り少年院送致ということで更生を図ります。

  

では責任能力が問われる状態として心神喪失、心神耗弱があります。

心神喪失とは「精神の障害により、弁識能力を欠く場合、又は行動制御能力を欠く場合」をいい

心神耗弱とは「精神の障害により、弁識能力が著しく低い場合、又は行動制御能力が著しく低い場合」をいいます。

民法で学習した後見人、保佐人のようなものですね。

ちなみにですが

後見相当(民法7条):常に判断能力がない

補佐相当(民法11条):判断能力が著しく不十分

補助相当(民法15条):判断能力が不十分

 

では刑事責任についてですが刑事未成年者は前述の通りとして

心神喪失、心神耗弱の場合はどうなるのでしょうか。

 

・心神喪失

この状態となっている人の行為は一切罰せられません。(39条1項)

あらゆる判断能力や行為能力を欠くということは、それら能力が完全にない状態ですので

心神喪失者は責任無能力者としてその行為は道義的非難の対象とはなりません。

ですがこのように判断されるのはかなり相当やばい状況で、犯罪を犯しても自分でその判断や行動の制御が不可能なほどになっているわけですから

簡単には認定されません。

また認定されても精神保健及び精神障害者福祉に関する法律による措置入院の余地があります。(25、29条)

 

心神耗弱

責任が完全になくなることはないですが、限定責任能力者として刑が必要的に減刑されます。(39条2項)

責任減少事由となりますが決して責任阻却事由とはなりません。

 

最後に心神喪失、心神耗弱の判断についてです。

・行為者の精神の障害を基礎とする生物学的方法

・弁識能力と行動制御能力を根拠とする心理学的方法

・生物学的方法と心理学的方法を併用する混合的方法があります。

そして事件ごとに総合的にみて鑑定に拘束されることなく、法律判断として裁判官が総合判断します。

(最決平成21.12.8より)

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